今回のShowMeTheMoney9(以下SMTM9)は間違いなくLilBoi(以下リルボイ)優勝だった(まぁ私はモシベノムを推してたけどね)
リルボイは2011年Geeksのメンバーとしてデビュー。デビュー曲のOfficially Missing Youが大ヒット。彼はGeeksとしてデビューする前からジェイトン率いるBuckwildsというクルーで活動していた(Ugly Duck ,ハネ、ギリボイ、ジコ、IGNITO、キリンなどが所属)
2015年SMTM4に出演2017年にアルバムを発表して以降目立った活動はしていなかった。その理由が今回SMTM9を通して明るみになった。
私が最初彼の言葉に心がきゅっとしたのは出演理由を語っている時だった。
「SMTM4出てからこの5年家でゲームだけしてました。何もしてません。」
「ここで僕がラップが一番うまかったら誰も僕のこと貶さないでしょう。 結局は影響力がある人が一番だから。」
ちょうど私自身がそのことをすごく考えていた時期だったので、この言葉は心に刺さりすぎてリルボイ重いわ。みたいな感情になってしまったのを覚えている。。
その後も彼のSMTM9で発表するリリックには、いつも何かに対する怒りが込められている感じがして、もちろん上手いしスキルは高いけど、何か重い。と個人的に感じていた。
もしかしたらそれがリルボイをなんだか推せなかった理由なのかもしれない。
SMTM9 [2회] ‘랩으로 보여줄 영향력‘ 강력한 우승후보, 릴보이 @2次予選
https://www.youtube.com/watch?v=BDHq_OmjJas
ここでラップしてるのは「歴史が否定された気分だ。」「薬の効果は2分、お前らは麻薬のことや外車、時計のことラップしてんだろ。」みたいなことを言っていて、ここまで理由を知らなかった私は、なんでこんなひん曲がっちゃったんだろう。という印象だった。
調べてみたら彼には悲しい過去があった。
2011年大ヒットした「Officially Missing You」はメジャーシーンでも受け入れられていたスタイルの楽曲だったためか、当時インディーシーンで活動していたDeepflowが発表した楽曲「잘 어울려(よく似合う)」でGeeksらメジャーシーンで活躍するラッパーたちに対し”リアルじゃない”といわんばかりのリリックで否定したのだった。
딥플로우 (Deepflow) – 잘 어울려 M/V (2015)
https://www.youtube.com/watch?v=3KPlNaMCGq4
このことでリルボイはこう語っている。
「そのMVにGeeksのプロデュースしてくれた兄さんもいて本当にショックでした。そのあとSMTM4に出演した時そのMVに出演していたラッパーがいて僕に対して”ファンです”と言ってきて本当に意味がわかりませんでした。」
そして彼は2015年以降人間不信になり精神的な病を患ってしまったらしい。
が、2次予選を通過したリルボイはZion.t&ギリボイチームの一員となり(「僕はダイナミックデュオ、シュプリムティーム、Epik High,バーバルジントの子供だから」っていってたからダデュチームに行くと思ってたんだけどねw) ”なんか重いリルボイ”に少しずつ変化が感じられた。
音源バトルではまだなんかその匂いがあったが、ステージを無茶苦茶楽しんでる感じと同じチームのウォンシュタインからたくさんの良い影響を受けたのか、彼への愛が溢れていて、曲も良いしステージも良いでモシ推しの私としては何とも言えない気持ちになった。(実際この曲が好きすぎてめちゃめちゃ聴いてる)
SMTM9 [6회] ‘계속 보고싶은 무대‘ 릴보이 X 원슈타인 X 칠린호미 @음원 배틀 EP.6 201120
https://www.youtube.com/watch?v=xYMxzPqBU-s
そしてリルボイはどんどん明るく素敵になっていく(極個人的視点)
本戦では昔のクルー仲間で、同居もしていたギリボイとステージを披露した。
「내일이 오면(明日が来たら)」
2次予選でAllaPassだったリルボイは元々グルービージャスディスチームに行こうと決めていたが歩き出す瞬間ギリが自分を見て笑ってるのが見えて、そっちに行ってしまったと語っている。(だからなんでダデュチームじゃないんだよw)
SMTM9 [8회] ‘다 사라질 거야‘ 내일이 오면 (Feat. 기리보이, BIG Naughty) – 릴보이 @본선
https://www.youtube.com/watch?v=yEN7scnHIZY
このステージではおそらく8年ぶりに2人が曲の競演している。
昔からのファンにとっては胸熱なステージだったと思う。
この音源はチャート1位を席巻した。
そしてこの曲からリルボイに変化があったように感じる。
「きっと社会がそうさせちゃったんだよな。」
今まで怒りに満ちていた彼に、許しや納得が見られた瞬間だった。(素敵だなと思ったけどもう私はこの時モシに夢中)
そして迎えたセミファイナル。
幼い頃からの仲間TAKEONEを迎えてのステージ。リルボイは引き出しいっぱいあるよなぁというスキルを見せつけた。
この曲に関して私はTAKEONEのリリックが全てを語っていると思っている。
「お前らが一番嫌いなショミドのステージで見せつけてやるよHIPHOPが何か」
「最後に言いたいのはピースだ」
[ENG] SMTM9 [9회] ‘잘난 체 해줄게‘ Bad News Cypher vol.2 (Feat. TakeOne) – 릴보이 @세미파이
もう1人の推しでありおそらくリルボイの最愛だったのではないだろうかウォンシュタインが敗退し推しモシのみとなったファイナルステージ。
リルボイは人間勝利を魅せてくれた。
後半へ続く